セコバイNEWS とびうお号 １９９８．６．２８発行
「忘れたころに発行される、セコバイNEWS」というイメージが定着した今日このごろですが、みなさまおぼえていたでしょうか。忘れていた方もまあ読んでください。
〜真の江戸っ子？が世間を斬る！〜
近頃の若いモンは！！＜第４回＞
近頃の若ぇもんの言葉ときたら、ひっちゃかめっちゃかでなにがなんだかわかりゃしねぇってもんだ。だいたいなんだありゃ、語尾をだらだら伸ばしてしゃべりやがって、納豆食いながら話してんかってんだ。
しかもその、伸ばした語尾のところをなんだ、イニシエーションってのか、え?イントネーション?どっちだっていいんだよ通じりゃあ。とにかくそのイニシ、じゃねえや、イントネーションを上げて喋くりやがって、話し方にけじめがなくっていけねえや。あんなの聞いてっとね、胸がもうムカムカして来ちまってよぅ、たまったもんじゃねえ。やっぱり話はメリハリつけて手短に、ちゃっちゃと済まさなきゃあなあ。
それとなぁ、何だってんだよあの「なんとかラー」ってやつぁよお。「アムラー」とか「シャネラー」とかよお。俺が初めて聞いたのは確か「シャネラー」だったと思うけどな。「アムラー」あたりから人名に「ラー」がついてきた様な気がするなあ。アムロなんとかって言ったっけな、そういうタレントの真似する若い女の子のことを言うらしいなあ。
だがよ、とにかく「ラー」をつけりゃいい、て発想が気に食わねぇんだよなあ。「ラー」をつけるのはメリケンの言葉らしいけどよ、奴らだっていっつも「ラー」をつけるわけじゃねえって話じゃねえか。元締めの奴らが使わねえってもんを、何で日本人が勝手に使えんだっての。しかもそのうち、本当に何にでも「ラー」を付けるようになっちまって、「なおラー」なんてのまで出たらしいじゃねえか。これじゃあバカの一つ覚えじゃねえか。全くいい加減にしろってんだ、え?! 悔しかったらおととい来やがれっ!
(車 熊次郎：くるま くまじろう＝江戸文化保存の会会長・外来語を出来るだけ排除するぞの会設立準備委員会代表)
馬のこと
しばらくNEWSが発行されないうちにダービーが終わってしまいましたが、今年のダービーはスペシャルウィークが圧勝し、武豊の八大競走全勝利、というすばらしいおまけ付きでした。騎手時代にその記録をただ一人達成した保田隆芳調教師に次ぐ記録は、父武邦彦、名手岡部も超え、武の天才たる所以だといえるでしょう。
記録というのは結果でしかありませんが、今年はこのあとどんな記録が生まれるか楽しみです。（鰊好きー）
清酒この一本
萬寿鏡−甕覗き−（ますかがみ−かめのぞき−）
養老の滝に流れる若返りの甘い水は酒だったとか。この酒はそんなイメージの酒である。わずかに色づいた透明さ、さらさらすぎず、べたべたしすぎず、まさに甘い水である。そのうえ甕に入っており、ひしゃくですくって飲む、というのだからたまらない。
めったに手に入るわけではないが、忘れられない酒である。
（セントバッカス）
先端の旅
入道崎（秋田県男鹿市）
東北の地図を眺めても、めだった先端がなかなかないが、そのぶん大きく西側に突き出した男鹿半島が先端愛好者の心をくすぐるのは皆さんもおわかりだろう。入道崎はこの男鹿半島先端の岬である。
男鹿といえばなまはげ、きりたんぽ、秋田美人とくるところだが、先端愛好者はとにかく岬へ向かうものだ。この岬のウリは「北緯４０度の岬」ということである。岬の広場（草の生えたただの空き地かも）には「北緯４０度の碑」というのが建っていて、この線が北緯４０度だ！というのがよくわかるようになっている。
岬には当然灯台があるが、ここのものは最近ＪＲの車内広告にものっていた白黒の縞模様の灯台である。北緯４０度の碑と縞模様の灯台、なんとも遠くへ来た感じがするものである。
観光としては、海中探索船というのがあって、船の底から海中を見られる遊覧船がでている。近くには男鹿水族館や男鹿温泉があって、行けばそれなりに観光できるところである。秋田新幹線も開通し、近くなった男鹿へ行く際は入道崎にも立ち寄るとよいだろう。
（先端放浪者）
ある男の浮き草人生をつづる
ぱちんこ一代記−幼少編A−
《（あらすじ）小学生の頃、親父につれていかれた近所のパチンコ屋で、こっそり打っていると親父になぐりとばされた。その帰り道、親父は俺に箱を渡してくれた。》
親父がくれた箱は、それほど重いものではなかった。箱に目をやると、すぐそれが鉛筆だとわかった。そのとき親父に礼の言葉を贈ったかどうかはおぼえていない。ただ、とてもうれしかったから、礼を言ったかもしれない。いや、言ったことにしておこう。
家に帰ってすぐ箱をあけた。小学生にはおなじみの濃さＢ、軸は紫色だった。絵柄はあったのかなかったのかおぼえていないが、その紫色は今でも鮮明に思い出すことができる。親父に殴られるとき、目の前が一瞬白くなったあとに見えるあの色だったからだ。
これ以来、俺はしばらくパチンコからは遠ざかっていた。
（幼少編終わり）〜これは事実に基づくフィクションです。〜
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